内容説明
アジア・太平洋戦争期、帝国日本の戦時動員のため「技術」という言葉が広範に使用されていた。それは単に科学技術だけではなく、社会全体の統治にもかかわるイデオロギーであった。狂信的な言説が吹き荒れたと思われる時代は、実は科学的・技術的な言説が力を持った時代でもあったのだ。本書では、革新官僚と技術者たちの動向を中心に、満州と中国における巨大建設プロジェクトを詳細に分析しつつ、戦後までをも貫く「技術」言説を思想史的に描き出す。新たな視角から帝国日本の核心に迫る、急逝した気鋭のアメリカ人研究者の遺作となった画期的研究。
目次
序説 帝国日本の技術的想像力
第1章 生活を革新する技術
第2章 アジア発展のための技術
第3章 大陸を建設する
第4章 帝国をダム化する
第5章 社会機構を設計する
終章 戦後日本におけるテクノ・ファシズムおよびテクノ帝国主義
著者等紹介
モーア,アーロン・S.[モーア,アーロンS.] [Moore,Aaron Stephen]
1972年横浜生まれ。コーネル大学歴史学部Ph.D.アリゾナ州立大学歴史・哲学・宗教学研究学科(歴史学部)准教授。専門は近現代日本史、科学技術史。2019年9月8日、急逝
塚原東吾[ツカハラトウゴ]
1961年生。東京学芸大学修士課程(化学)修了。ライデン大学医学部博士Ph.D.(医学)。現在、神戸大学大学院国際文化学研究科教授。専門は科学史、STS(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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