内容説明
ビジュアルカルチャー、日本語・日本語文字の本質を探る。20世紀の国語学議論「文字とは何か」が21世紀のマルチモダリティ社会記号論でよみがえる。独創的な表現で、規範や既存の表現を変える力があるポピュラーカルチャーを対象に、日本語の文字が表出するマルチモーダルな意味表現を検討。世界一難解な表記体系を持つ日本語の教育に携わる人必読の書。
目次
序章 ビジュアル・カルチャーと日本語
第1章 ポピュラーカルチャーの詩学
第2章 複数の文字体系を持つ日本語
第3章 文字のマルチモダリティ
第4章 ルビ表現の詩学
第5章 ストーリー・マンガの詩学
第6章 ポピュラーソングの文字
第7章 マルチモーダル・コミュニケーション能力と言語教育
終章 文字とは何か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gorgeanalogue
12
日本語のマルチモーダリティ(統一されていないが音引きを入れたほうがいいと思う)を通じてポピュラーカルチャーの「多声性」を読み解く。面白い指摘も論点もあるのだが、先行文献のつぎはぎが多く、読みにくいうえに創意を感じない。「グローバル人材」などという言葉が検討なしに使われる。漢字・仮名などのそれぞれの文字がなぜそのような「効果」を持つのかについてももう少し検討が欲しいし、書体やレイアウトなどの検討も十分ではない。画像の分析では文字とともに画像そのものも分析されないとなんだかわからない。誤植が多い。2023/09/21