天職の運命―スターリンの夜を生きた芸術家たち

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天職の運命―スターリンの夜を生きた芸術家たち

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  • サイズ B6判/ページ数 511,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622075868
  • NDC分類 702.38
  • Cコード C1022

出版社内容情報

ショスタコーヴィチ、メイエルホリド、パステルナーク、トロツキー、日本から亡命した杉本良吉と岡田嘉子から、ひたすら権力に迎合した三文詩人、死後の美術館建設を夢見て餓死した画家まで、スターリン体制下の芸術家群像。原資料を渉猟し、知られざる諸事実を発掘した碩学畢竟の書。珍しい写真を多数掲載。極限的困難に直面した時、どう生きのびるのか、ふたたび問われる時代に。

内容説明

史上初の社会主義型実験国家の下、困難と恐怖が人間の深部をあらわにする。生存と創作の根底にあるものは何か。天職を目印に追う壮烈なスターリン期文化論。

目次

大阪から―「机の上を片づけないで下さい」(ネフスキイ)
実験国家と実験家―知の遊牧者メイエルホリド
対岸のユートピア―杉本良吉と「にわとりの足をした水晶宮」
「余所者の劇団」―権力の剣、仲間の匕首
ユートピアへの「呼び子」―火から〓(ほのお)への脱出
三の死―「相変わらず独創家ぶっているのかね」(モーロトフ)
特別列車―うわばみ権力と「われわれは皆うさぎだ」
命という重荷―「スターリンのロシヤ語は小学生なみである」(トロツキイ)
加害者にも被害者にもならない方法―オレーシャと「おせっかいな熊たち」
目盛り―極限の人びとのあたり前さについて
ある餓死者の場合―フィローノフの天職を飯のたねにしない方法
恐怖の入れ替わり―「虚構の非人間的な支配」と浄化の嵐
勝利の後で―「権力は私に手を出しません」(ショスタコーヴィチ)
断片作家―「一行も書かない日はなし」(オレーシャ)
沈黙の十字架―「自分の運命の自由な囚人」(アンドレーエフ)
「悲劇のにない手」―パステルナークと銀貨三十枚と三十コペイカ
それぞれの死―無への入場式

著者等紹介

武藤洋二[ムトウヨウジ]
1939年9月30日生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業、大阪外国語大学ヨーロッパ1講座教授をへて現在同大学名誉教授。奈良市在住。帝政ロシヤとソヴェトを拠点にして文学、芸術、権力、民衆の受難の統一体の中で人間を追っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほんままこと

9
全508頁、圧倒的読後感。暗く遠大な宇宙を旅したような気がする。それはスターリンからフルシチョフ時代のソ連。拷問と死刑と収容所、恐怖が支配する独裁体制の中、芸術家、文学者はどう生きたのか、レニングラード包囲の飢餓の中で庶民たちは何をしたのか。岡田嘉子の悲劇もある。俗物性と崇高さ。保身や良心の放棄も仕方ない中で自分の芸術、天職を、いかに生ききることが可能か。又はその不可能性。著者は膨大な資料を読み、前人未踏の哲学的ドキュメンタリーを完成させた。人名索引には286人が並ぶ。巨大な絶望の中に一筋の希望の光。2024/04/01

ケイトKATE

5
「天職」という言葉ほど芸術家にとってふさわしいものはない。だがスターリンの時代、芸術家は常に死が隣り合わせになっている状況では、芸術だけで生きるには本当に過酷であった。ロシア革命を支持し演劇に革新的な演出を創り出しながら、スターリンに意に沿わないため悲劇的な最期を遂げたメイエルホリド。類まれな才能を持ち、体制に批判されると一時的に妥協しながらも、強かに数多くの傑作を作曲したショスタコーヴィチ。トロツキーの親類という命の危険性がある中、スターリンを賞賛する詩を書き続け長生きしたインベルが印象に残った。2019/02/28

メルセ・ひすい

4
14-85 貴重本・必読書 ★5 ゾンビ・スターリン⇒闇から闇!・まだヒットラー犯罪は明示されているが、ソ連では数多くの芸術家達が忙殺された。生き延びた者は体制賛美者、小心な加害者、無数のあらゆる保身者であった。史上初の社会主義型実験国家の下、困難と恐怖が人間の深部をあらわにする…。無根拠にインテリ殺戮を繰り返す独裁下、芸術家たちはどう生きたのか。それでも生命力は創作の火を灯し、毅然と生きた人々はいた。碩学の長年の精華!この書は交響曲! 天職を目印に追う壮烈な文化論なのだ :*:・( ̄∀ ̄)・:*: 2011/03/11

柳瀬敬二

1
この本はアカデミックな研究書ではない。複数の芸術家にスポットを当てながら、ソ連史における最も狂気の時代、スターリンが支配した時代を辿っていく。語り手はユーモアを混じえながらも淡々と芸術家達の物語を紡いでいくが、その口調がかえって、このディストピアの中で生きた人々が実在したという事実を浮き彫りにする。この物語を読んだ後の気分は長編小説に近い。この本自身が一つの芸術なのだろうと感じさせる。2013/12/29

パブロ

1
これは傑作! スターリン圧制時代の芸術家たちの生き様が語られる。パステルナークや杉本良吉、ショスタコーヴィッチ、メイエルホリドなどなど、キラ星のような才能たちがスターリンの名のもとに、次々と弾圧されていく様子は、読んでいて心が苦しくなる。この恐怖政治のなかでいかに身を処していくのか。インベルのようにどこまでも体制にすり寄る者たちに著者は厳しい筆致で描いている。暴風吹きすさぶなかで、それでも孤高に輝くさまざまな芸術作品。そんじょそこらの小説なんて目じゃない。めくるめく人間模様に圧倒です!2011/07/08

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