内容説明
日本の宗教は社会と密接にかかわりあい、時代に対応して展開してきた。政治と宗教、寺院経営の諸相、庶民信仰の展開、仏教者の思想と救済活動、国家と宗教をテーマに、日本人の宗教をたどる、意欲的論考二十五篇。
目次
1 政治と宗教(寛永年間曹洞宗永平寺・總持寺の転衣出入りについて;江戸幕府の寺社朱印状の再給付手続きについて―武蔵松伏宝珠院の事例を中心に ほか)
2 寺院経営の諸相(旗本開基寺と妙心寺;近世森林管理と出入を介してみる寺院と村落の関係―高尾山薬王院文書を中心に ほか)
3 庶民信仰の展開(月牌帳にみる高野山信仰の展開―高室院文書相模国月牌帳から;廻国行者と地域社会―佐藤治良右衛門を中心にして;神楽と陰陽師;平戸・壱岐の六斎念仏)
4 仏教者の思想と救済活動(浄土真宗における正像末法観について;祖心尼―著作と思想;浄土宗名越派僧侶の民衆救済;浅野斧山の伝記と論稿、著作;大正期における渡辺海旭の労働者保護思想)
5 国家と宗教(朝鮮における日蓮宗の活動;祖霊、家、そして近代の『家族国家』;現代日本における戦死者慰霊祭祀;戦後の国家神道と宗教集団としての神社)
著者等紹介
圭室文雄[タマムロフミオ]
1935年神奈川県に生まれる。1965年明治大学大学院文学研究科博士課程単位取得、明治大学商学部助手・専任講師・助教授・教授・大学院文学研究科兼担教授を経て、学校法人大乗淑徳学園理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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