内容説明
チェーホフ、ツルゲーネフ、プーシキン、ジッドの翻訳者、神西清が日本語と格闘した軌跡をたどり、翻訳魂の真髄に迫る。
目次
1章 散文の運命(困難な問いかけ;外国語をまなぶ;「鎌倉の女」;アランの散文論と王朝文学)
2章 翻訳という創造(プーシキンの散文創造;現代日本語の不具合;『プウシキン全集』翻訳担当;「精神の危機」;今日当然書かれてゐなければならぬ“散文”;シャルドンヌとの出会い;愛を理解するまえに立ちはだかる文化の隔たり;隠喩としてのロマネスク)
3章 黙読から音読へ(ディアパゾン;「音読から黙読へ」;音読する中山省三郎;中山省三郎と神西清の資質のちがい;ラジオ放送と谷崎潤一郎『文章読本』;声の洗礼)
4章 翻訳のロマネスク(翻訳する姿;『けむり』(その1 二葉亭四迷訳と米川正夫訳)
『けむり』(その2 神西清訳の工夫)
『即興詩人』(その1 原文のない翻訳)
『即興詩人』(その2 ふたたびの散文論))
著者等紹介
小林実[コバヤシミノル]
1971年東京都生まれ。2006年立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程満期退学。現在は十文字学園女子大学准教授。博士(文学)。専門は翻訳文学、日本近代文学、日本近代文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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