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出版社内容情報
1945年の敗戦とともにソ連軍に抑留され、8年間のシベリア収容所体験をへてきた著者は、帰国後、戦後日本社会の変貌に戸惑いながら生き延びた者として当時の体験を苦闘しつつ言語化していった。「ペシミストの勇気」はじめ本書の各編はすでに現代の古典となっている。戦後日本に著者は何をみたか。生きる意味を追求した、日本人による『夜と霧』とも評される書。
内容説明
「人は死において、ひとりひとりその名を呼ばれなければならないものなのだ」。シベリアでの収容所体験の日々と戦後日本社会に著者は何をみたか。
目次
確認されない死のなかで―強制収容所における一人の死
ある“共生”の経験から
ペシミストの勇気について
オギーダ
沈黙と失語
強制された日常から
終りの未知―強制収容所の日常
望郷と海
弱者の正義―強制収容所内の密告
沈黙するための言葉
不思議な場面で立ちどまること
『邂逅』について
棒をのんだ話
肉親へあてた手紙―一九五九年一〇月
一九五六年から一九五八年までのノートから
一九五九年から一九六二年までのノートから
一九六三年以後のノートから
著者等紹介
石原吉郎[イシハラヨシロウ]
詩人。1915年11月11日、静岡県伊豆土肥村に生まれる。1938年東京外語ドイツ語貿易科卒業、大阪ガス入社。翌39年応召、翌1940年、北方情報要員第一期生として大阪露語教育隊へ分遣、鹿野武一に会う。41年、関東軍のハルビン特務機関へ配属。敗戦後、シベリア各地の収容所を転々とする。49年2月には、反ソ・スパイ行為の罪で重労働25年の判決を受ける。スターリン死去にともなう特赦で1953年12月に帰国。翌54年に『文章倶楽部』に詩の投稿をはじめ、翌年には詩誌『ロシナンテ』を創刊、続々と詩を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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